みなさん、こんにちは、Ryukです。
最近はフランチャイズオーナー募集の広告をよくみるようになりました。
コンビニオーナーって儲かるの?って思った方も多いでしょう。
結論から言うと、コンビニオーナーで手取り100万円!なんていうのはかなり難しいです。
社長、オーナーになって、大金を稼ぎたい人にはコンビニオーナーは向いていません。
現実的には、年収500万円~700万程度です。
月収に直すと40万円~60万円程度です。
しかし、努力次第で伸びしろがあることは事実です。
今回はコンビニオーナーは儲かるのか、という内容をテーマにまとめていきたいと思います。
フランシャイズと直営店の違い
オーナーという呼び方は変わりませんが、「雇われ」かどうかというのが大きな違いです。
オーナーとして独立をする上でチェーン店等を選ばれた方はフランチャイズがイメージに近いでしょう。
本部の経営するお店に働きに行くか、お店の名前は大手企業のものでも、独立して自分のお店を持って、自分で経営するか、という違いです。
それぞれメリットもあれば、デメリットもあります。
違いについてもう少し詳しく解説していきます。
フランチャイズとは?
「加盟金」「保証金」を支払い、開業後は継続的に「ロイヤリティ」などの必要資金を本部に払い続けます。
簡単に言えば、大手コンビニのローソンやセブンイレブンのような店舗の名前を借りたり、お店のブランド商品(からあげクン、ファミチキなど)を仕入れることができるようになる代わりに、売り上げの何割かを本部にください。という契約です。
フランチャイズオーナーは、店舗名、商品などは加盟店に依存しますが、基本的には自分のお店を持ち、仕入れから売り上げに応じての自分の取り分が決まります。
お店にはある程度、チェーン店としてのルールが乱れないように、指示をしたり、他店と比べて、お店の売り上げを伸ばす協力をしてくれるSVという本部の人が担当としてつきます。
簡単に言えば、
SVの指示のもと、チェーン店としての最低限のルールや仕入れる商品などは決められるが、お店でどのような人を雇い、その人にどれだけの給料を渡すか、ワンオペなのか3人シフトにするのか、商品の仕入れはどれくらい入れるのか、
など、自分で判断し、売り上げが上がった分から必要経費を引いて残ったお金がオーナーの手取りとなります。
本部直営店とは?
本部直営店で働くオーナーもいます。
オーナーというよりは雇われ店長ってイメージです。
お店の管理、発注、その他フランチャイズオーナーと同じような仕事をすることにはなりますが、お店のお金に関しては売り上げが上がろうと、赤字になろうと、オーナーの手取りにはほとんど関係ありません。
本部に雇われているという形になるため、雇われ店長、オーナーと言われるわけです。
自分自身が身銭を切って人を雇うわけでもないので、働くスタッフの面接や給料設定も本部の人が行うのがほとんどで、商品の仕入れに関しても自由は少ないです。
例えば、おでんの時期になったとき
フランチャイズオーナーなら、
「おでんを置いても、うちの店は買う人少ないから、おでんは置かない。」
という選択も可能です。
直営店で働く場合は、
本部がおでんを置くと決めた場合は、本部の支持に従わなければなりません。
オーナーという肩書きはあっても給料はほぼ一定で資格などを取らないと、努力が反映されにくいので、会社員とあまり変わらないですね。
逆に言えば、お店が赤字であっても、お給料はもらえるので、安定と言う意味では、直営店で働く方が良いですが、そういった安定も会社員と条件はほぼ同じです。
メリット・デメリット
フランチャイズ加盟店と直営店のメリット・デメリットをまとめてみます。
フランチャイズ加盟店のメリット
・大手企業のブランド力を持つことができる。
・店舗開店の手配を全て行ってくれるので、スピーディー。
・本部からの補填、補助を受けることができる。
・売り上げが良かった場合、自分の取り分が多くなる。
フランチャイズ加盟店のデメリット
・マニュアルには従う必要がある。
・企業そのものに悪評が付いた場合、影響を受ける。
・ロイヤリティとして、半分以上の利益を本部に取られる。
・人手不足の場合、自分が労働基準以上の勤務をして店を回す必要がある。
直営店のメリット
・仕事量は多いが、安定して店舗で一番高い給料をもらえる。
・人手不足でも、ある程度本部の人が助けてくれる。
・本部に雇われているため、閉店しても、移動などで解雇にはなりにくい。
・赤字をそれほど恐れずに色んなことにチャレンジできる。
直営店のデメリット
・オーナ―としての色を出すのは難しく、マニュアルを忠実にこなすスキルが求められる。
・本部からの指示が多く、仕事量も多い。
・ノルマなどのプレッシャーや業績の報告、会議などに出席する必要がある。
・売り上げが伸びても、直接手取りには影響しない。
どちらが良いのか?
実際にどういった働き方をしたいかで変わりますが、お金を稼ぎたい、自分の店を持ちたい、人に指示をされず、自由にしたい、というのであれば、フランチャイズオーナーがおススメです。
しかし、フランチャイズオーナーに実際になった人も不満を抱える人は多いです。
人手不足、売り上げ不足などが原因で家族総出で店に出勤し、4人家族全員毎日10時間以上の労働時間で、手元に残るお金は全員合わせて30万程度、一人8万円にも満たない、ということもザラにあります。
また、大手の名前を借り、コンビニというスタイルでお店を持っている以上、どれだけ暇でも深夜帯は開け続ける必要があり、24時間誰かは働かなければならない、
スタッフを雇えば、お客は来ないのに、深夜割増手当で人件費がとてもかかる。
自分の手取りを確保するためには、深夜は自分が出るしかない、、、
というようなことも多いです。
実際のフランチャイズオーナーのアンケート調査
実は全国的に見ても、フランチャイズオーナーが満足のいく成功をしている人はそれほど多くはない。
2018年のアンケート調査では、人手不足がほとんどで、
「従業員は十分に足りており(スタッフの退職等)何かあっても対応できる」は6%だった。
フランチャイズ本部との関係については、「大変満足している」8%、「概ね満足している」45%に対し、「満足していない」は39%だった。
これは、ロイヤリティの割合や本部の補填などの対応、その他の対応についても含まれる。
人手が足りており、本部とのフランチャイズの関係が上手くいっているのは全体の10%にも満たないのが現状。
アンケート調査についての詳しい内容についてはこちら
経産省/「コンビニ調査」加盟店4割が不満と回答「想定よりも利益少ない」
フランチャイズオーナーの収入は?
収入は大まかに以下のような計算になります。
売り上げ-仕入れ原価(約7割)=粗利益
粗利益x60%(本部ロイヤリティ)=オーナー取り分
オーナー取り分 – 人件費 – 廃棄原価 – 万引きなどの在庫差異 – 電気水道等の経費 = 最終利益
例として計算しましょう。
一日の売り上げが50万円程度のお店の場合
50 x 30(日) = 1500万円
1500 x 0.7(原価率)=1050万円
1500(売上) - 1050万円 = 450万円(粗利益)
450 – 450 x 0.6(本部ロイヤリティ)=180万円(オーナー取り分)
180万円 - 30万円(廃棄)- 120万円(人件費)– 10万円(諸経費)= 20万円(最終取分)
※人件費 時給1000円 x 24(時間) x 2(人) 30(日)= 1368000円
オーナーが週5日8時間ずつ出勤した場合(経費削減)
1000円 x 8(時間)x 5(日)x 4(週)= 160000円
人件費の削減
1368000 - 160000(オーナー出勤分) = 1208000円(約120万円)
時給は1000円で計算しましたが、実際は早朝手当や深夜割増手当、長時間働いた人には超勤割増手当などがあるので、人件費はさらに高くなります。
フランチャイズオーナーの闇
上記でも挙げたように、普通の店舗では、毎日50万円売り上げたとしても、オーナーの最終手取りは20万円程度です。
結構少ないですよね。
特に本部のロイヤリティとそもそも原価が高いことが、経営を苦しめています。
こういった状況で、手元に残るお金を少しでも多くするために、
・一部の電気などを消したり、エアコンを使用しないなどして経費を減らす。
・ワンオペにする、オーナー、オーナー家族が出勤し、人件費を削減する。
・売り逃しは諦め、廃棄を出さない発注を心掛ける。
などして、必死にお金が残るようにします。
実際にあった失敗例
フランチャイズでは、オーナーと本部の意向は間違いなく食い違います。
本部はロイヤリティが入るので、店舗数を増やしたがります。
その結果、売り上げ好調な店舗の数m先に店舗を増やされ、日に日に売り上げが落ちていくこともザラにあるのです。
1店舗からロイヤリティを60万円もらうより、1店舗の売り上げが下がっても、2店舗から40万円ずつもらった方が儲かりますからね。
しかし、現場のオーナー達が被害に遭います。
売り上げを伸ばそうと試行錯誤を繰り返しても、新店の魅力に客足を取られ、どんどん経営難になり、人件費を削減、時給を下げると人で不足となり、それでも手取りのお金が追い付かず、家族を養えないこともあります。
毎日オーナーとして10時間出勤しながら、バイトに行く人すら居るくらいです。
こちらの記事をご覧ください。
コンビニオーナーの末路は最悪で悲惨?やばい・きついって本当?
売り上げが下がって、生活が苦しくなっても、辞めると、違約金が発生するという悪魔の契約もあるのです。
また、限界がきたオーナーが24時間営業できなかったりすることで、契約解除を言い渡された店舗もあります。
契約解除とは、お店の看板商品やブランド商品を販売できなくなるので、実際の強制閉店です。
セブンイレブンの契約解除に至った店舗を紹介します。
セブン本部から無理言われ自殺、借金1千万円背負わされ…FC店オーナーの地獄
フランチャイズオーナーは良くないのか?
ここまで、フランチャイズオーナーになることで生まれるデメリットや、悲惨な末路を迎えた実例を紹介しましたが、成功する方法は結構あったりします。
皆さんがフランチャイズオーナーになるのなら、必ず以下のことには注意を払ってください。
店舗の立地や条件を念入りに確認する
これから長い間自分が身を置く店舗です。
本部に任せた店舗決めではなく、実際に自分なりのデータを集め、しっかり収益を上げられる店舗を選びましょう。
最初は新店は魅力的ですが、過去に別の方が経営をしていて、契約を辞めて、新しいオーナーを探している店舗もありです。
なぜなら、そのお店の客足や売り上げはデータとして既にあるからです。
また、早い段階では、スタッフも引き継げるので、人探しや研修の時間が省ける可能性もあります。
ただ、何の理由で前のオーナーが辞めてしまったのか、理由も知っておく必要があるでしょう。
本部の恩恵はできる限り受ける
本部から新商品の発売で、大量仕入れを案内される場合があります。
その場合、廃棄が出た場合、本部が補填してくれるのがほとんどです。
本部が補填してくれる商品などは全力で入れましょう。
一番くじなども、売れ残った場合は返品ができるシステムもあります。
私は返品できる商品は全て仕入れていました。
スタッフの働きやすい環境を作る
辞めていくスタッフの大半はお店への不満や、他に良いバイトを見つけた場合です。
学生の卒業や、就職、引っ越しなどの理由で綺麗に辞めていく人のほうが珍しいくらいです。
なので、ここでオーナーといつまでも一緒に働きたい。と思ってもらえるような関係作りを頑張りましょう。
上の人間ほど嫌われ仕事を自ら進んですることで、スタッフに気に入られたりしますよ。
シフトや家庭の状況にも親身になって一人ひとりと向き合ってあげてください。
お金で雇っているというよりは、安い賃金で働いていただいているという申し訳ない気持ち、感謝の気持ちが大切ですよ。
周辺の店舗とは仲良くなる
系列の違うコンビニは、本部からは競合店、ライバル店と言われますが、
仲悪く競い合う必要はありません。
逆に手を取り合って、情報交換をし、互いに売り上げを高め合える良い関係を築きあげましょう。
例えば、近くで花火イベントがあったとします。
「○○オーナーさん、○○日に花火イベントあるらしいですよ、良かったらお互いの駐車場をその日は共有しませんか?」とか
「○○のドリンク、新商品でうちは仕入れるんですが、○○オーナーさんも仕入れます?お互いの店舗にあると、売れ行きも多少減るので、発注調整しましょう」とか
ライバル視していると、ただただ大量仕入れ、大量廃棄で、良い所だけ本部に持っていかれる。なんてこともあるで、フランチャイズオーナー同士なら本部から搾取される仲間みたいなものなので、如何にお互いの手取りを増やすか、しっかり関係を作ることが成功のコツですね。
フランチャイズオーナーが成功するには
実際にある程度責任者がシフトに入り、人件費を削りながらもお店の立地条件が良い店舗を選ぶことが出来た場合、それなりに売り上げは上がるので、手取りにも満足できるでしょう。
しかし、先ほどのアンケートのように人手不足が問題となりやすいです。
原因はコンビニの時給は安いことが多いからです。
地方では、最低賃金がほとんどなので、できる限り、皆はコンビニで働きたくないんですよね。
また店舗をワンオペで回している場合、誰か一人でも辞めるとヤバイという状況になることが多いです。
まず、自分がシフトに入って50万円程度手取りがあるお店なら、少し時給を上げてでも他店のコンビニと差をつけて、人が集まるようにすることが大切です。
可能なら、自分はシフトに入らなくて良い状況を目指しましょう。
フランチャイズオーナーとして成功する簡単な方法は多数の店舗も持つことです。
自分もお店に入って、人件費を削って50万円よりも、40万円くらいを人件費に充てても良いので、自分がシフトに入らなくても良い状況を作りましょう。
働いて、50万円と
働かずに10万円、
どちらが良いですか?
私なら後者を選びます。
そして24時間自由になった身で、2店舗目を持ちます。
最初は自分がシフトに入って手取り50万円を目指します。
立地や客足が悪い店舗を掴んでしまった場合は契約期間満了でお店を手放します。
これを繰り返し、良い経営ができた店舗の収益の大半を人件費に使い、自分はフェードアウトします。
結果的にスタッフも充実し、自分がシフトに入らなくても手に入る半分不労所得のようなものを作り出すことができます。
実際に今まで、コンビニ業界を何店舗か働いてみて、複数の店舗を持っているオーナーほど、時間や仕事にも余裕があり、安定した収入を持っていました。
私の経験談なので、データとしての母数は少ないですが、成功の道の一つとして、これからフランチャイズオーナーを目指す方の参考になればと思います。
まとめ
今回は、コンビニオーナーについて、まとめてみました。
私の書いた成功例は結構簡単のように書きましたが、実際に「できたらそんなことくらいやってるわ!」というようなオーナーがほとんどでしょう。
スタッフと信頼関係を築きたくても、遅刻する、仕事しない、無断欠勤する、クレームが多い、お店の商品を勝手に持って帰る、
こんなスタッフとどうやって信頼関係なんて作るんだ?
私なら、遅刻する子がいるなら
「ごめんね、忙しいのに来てくれてありがとう。家から20分くらいかかるんじゃない?時給も安いし、交通費も支給されないし、適当にしたくなるよね。その気持ち、めっちゃわかる!けど、会社のシステム上、1分単位でお給料出てるから、せっかく20分もかけてきてくれているのに、数分の時給を損しちゃうの勿体ないな、と思ってね。5分だと大体100円くらいになるんだよ、、10回遅刻したら1000円だよ?結構大きいよね。20分もかけて足運んでくれているんだし、俺は、君にその時間、最大限のお給料を払ってあげたいんだよ。時間守るだけで、他の人にも良いように思われるし、一石二鳥じゃね?
ごめんね、こんなオジサンの話に付き合わせて、、
この数分があれば、他の仕事できたね、今話していた時間の給料はもちろん出すし、使わせてしまった時間の仕事は俺がやっとくからね」
という風に歩みよってあげることが大切ですね。
ちなみにパチンコ大好きな大学生が居ましたが、その子が遅刻したとき
「10分200円確実に稼げる期待値の台を君は今打ち逃した」と笑いながら言うと、
何が刺さったのか、次の日から全く遅刻をしなくなりました(笑
経営に大切なのは、売り上げもそうですが、コンビニにおいての一番の宝は自分についてきてくれるスタッフなのでは?と感じました。
オジサンの毒舌記事に付き合っていただいた読者の皆様、ありがとうございます。